先輩移住者の声
北川 武典 さん
[山口市徳地在住]
いつ・どこから・なぜここに?
2013年7月に東京から来ました。大学(工学部機械工学科)を卒業後、カナダに渡って1年半住んだ後、帰国して10年ほどサラリーマンをしました。次は何をしようかと考えた時に友人から地域おこし協力隊のことを聞き、おもしろそうだと思って応募しました。福岡と沖縄以外の大阪以西に縁がなかったので、知らないところの方がおもしろいんじゃないかという、ちょっと軽い気持ちで来ました。
現在の状況・感想
地域おこし協力隊員として、徳地健康ブランドづくりと直売所のネットワーク化に取り組んでいます。協力隊員はだいたい1年目に地域で人間関係を構築して、2年目には生業を見据えた新たなチャレンジをし、3年目は生業の本格準備をするという流れがあります。3年間で地域のブランドや特産を形にして収益が上がる仕組みを考えないといけないんですけど、3年目の今年、なかなか、そんな簡単なものではないなと実感しています。徳地オリジナルの健康茶である「カワラケツメイ茶」は販路拡大できましたし、やまのいもはペースト状・チューブ入り商品にしてヒットしましたが、まだこの先を考えていかないといけないなと思っています。
地方への移住にあたり不安だったことは? 実際は?
ひとりでフラッと訪れて、どうにかなるだろうと思っているので、特に不安はありませんでした。英語が話せないままカナダに行って住んだ経験もあるので、日本語が通じる日本国内なら大丈夫です。
山口の魅力は?
周りの人がいい人たちで、近所に世話好きな方がいてよくしてくださるし、こんなヨソモノを受け入れてもらってありがたかったです。食べるものもおいしい。魚が安くてうまいですし、原木シイタケとか外郎とか、うまいですね。徳地特産のヤマノイモは東京へのおみやげにして喜ばれています。
そして道路がいいですね。サラリーマン時代に関東一帯を車で走り回っていたので比べてしまいますが、落ち葉の掃除もちゃんとしてあるし、道路はよく整備されていると思います。
山口に住んで戸惑ったことは?
自治会の草刈りとか掃除の作業が、設定された集合時間より早く始まって早く終わる。指定された時間に行ったら終わっていたこともあります。生活全般として、朝が早いので夜も早い。アフターファイブが長いので、ドライブに行ったりちょっと手間のかかる料理に挑戦したり、夏の間は畑作業をしたり。12時前には寝るようになりました。
方言はわからない時もあるけど、前後の文脈から判断したり、そんなに困るほどではないですね。
上下水道が整備されていないところがあったり、噂の広まるスピードが速かったりするけど、田舎ってこんなものかなと思って受け入れています。井戸水はおいしいです。
山口に来てよかった?
東京生まれで、故郷という意味での田舎がないので、田舎ができてよかったなという感じです。わからないことは聞けば教えてくれるし、助けてくれる。いい人が多いです。僕は徳地しか知らないけど、山口市街、防府、周南に車ならそれぞれ30分くらいで行けるし、大きな病院や電車がないのは不便だけど、食べ物はおいしいし、買い物はネットでできるし、住むのにはいいところだと思います。
今後の展望
協力隊員の任期が終わった後も、仕事があれば山口にいたいと思っています。いろいろ手がけてやってきて、達成したいこともあるし、様子を見ながら考えます。
移住を考えている人・移住してきた人にアドバイスを
とりあえず1年は住んでみないと定住できるかどうかの見極めって難しいと思います。
僕は右も左もわからない状況で来たけど、協力隊員になって自分の経験値がアップし、協力隊員の肩書のおかげでいろいろな人と知り合うことができてよかったです。徳地ブランドづくりや徳地に人を呼ぶという事業も、知り合った人たちの協力のおかげで進めることができた。興味を持ったらやってみたらいいと思います。3年間をどう使うかは自分でよく考えて。いろいろ折り合いをつけないといけないこともあるけど、おもしろい経験だと思います。