先輩移住者の声
宮村 真也 さん
[居住地:山口市中心部]
宮村農園
いつ・どこから・なぜここに?
小さい頃から家庭菜園で花や野菜、土と触れ合い、自然と植物が好きになったという宮村さん。「農業に憧れて大学は農学部に。卒業して農業関連の会社に入りましたが、やっぱり自分で農業がしたくなり、9年後、農家に転身しました」
数ある作目の中で、宮村さんが選んだのはトマト。前職で野菜を扱う部署に所属した際、「山口あぶトマト部会」のしっかりとした体制と整備された選果場に魅力を感じ、農業をするならトマトと決めていたのだそう。「販売ルートが確立されているので、安心して農業を始められました。それに、大学時代、トマト農家で栽培に関わる基本的なことは学んでいましたし、サークル活動でトマトの栽培や販売もしていましたので」
独学でさらに知識を深めた宮村さんは、新規就農ながら1年目にして目標以上の成績を収め、すぐに部会の中で期待される若手の一人となった。
「会社員だった頃に比べ、帰宅時間が圧倒的に早くなった。もちろん最盛期は目の回るような忙しさですが、それでも家族と過ごす時間が増えました」と実際に農家になった感想を話す宮村さん。そして、朝早くに起き、日中は体を動かし、夜はぐっすり眠るという人間らしい暮らしができることもまた農家の魅力と言う。
けれども、自然相手の仕事だけに不安が尽きないのも事実。「天候不良やトマトの病気などで収穫量が減ると、その分売上が減る。収入が安定しないのは、農業の不安な部分。経費だけでなく、年金や保険料、税金なども考慮しながらのやりくりは大変です」とその苦労を教えてくれた。それでも農業を続ける理由を聞くと、「不安はあるものの、組織にいる頃のストレスとは全く違う。植物に触れていられるし、時間配分など自分の思うようにできるから面白い。今の方が断然伸び伸びと働けています」と満足そうに話してくれた。
現在の状況・感想
就農から5年が経った2020年、宮村さんは株式会社宮村農園を設立し、ずっと目標に掲げていた法人化を達成した。現在は阿東に加え、秋穂二島にも圃場を有し、2つの地域でトマトの周年栽培に取り組んでいる。「圃場の面積は合わせて約115アールと、県内最大級の規模です。実はみかん栽培も始め、そちらは約60アールです」と宮村さん。法人化したことで働き方は大きく変わったという。
「法人化して正社員は私を含め4名になりました。以前は収穫期に入ると3~4 ヵ月は休みなしで働いていましたが、今は一年を通して、週に1日は必ず休めています。就農する時から、農業でも会社が作れること、農業でも守られた環境で働けることを若い人に示すモデルになるのが自分の目標。圃場が広がり、人が増え、収穫量が増え…と、少しずつですが目標に近づけていると感じています」。農業でも安心して暮らしていける、若い人にそう思ってもらうためにと、今日も宮村さんはハウスに向かう。
移住を考えている人・移住してきた人にアドバイスを
南北に広く、自然豊かな田舎も、暮らしに必要なものがコンパクトに揃う街中もあるのが山口市。山の幸も海の幸も味わえ、温泉も堪能できますよ。それと、広島・福岡にすぐに行けるのも魅力。都会過ぎず田舎過ぎない「ちょうどいい暮らし」が送れるまちです!
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