先輩移住者の声
いつ・どこから・なぜここに?
出身は山口市で、市内の高校を卒業後、山口コ・メディカル学院で学び、理学療法士の資格を取得しました。その後、防府市の病院に入職し8年間ほど勤め、その間に回復期病棟の立ち上げにも携わるなど貴重な経験をさせていただきました。
それから、さらなる成長のために、埼玉県のリハビリ特化型デイサービスや、東京で訪問リハビリの現場などでさまざまな経験を積み、「さあこれからどうしよう」というタイミングで、山口市が「阿東地福地域の課題解決」を活動テーマに地域おこし協力隊を募集していることを知りました。
もともといずれは山口市にUターンすると決めていたし、何より「山口をより住みやすいまちにしたい」というのが私の長年の夢だったので、これは願ってもないチャンスとすぐに応募しました。それから埼玉県で出会った妻も伴い、2021年1月に地域おこし協力隊として山口市にUターンしました。
地域おこし協力隊ではどんな取り組みを?
「高齢者の多い地域の課題解決のために〜高齢者が住み慣れた地域で健康・安全・幸せを感じられる地域へ〜」をテーマに掲げ、地域のみなさんの健康増進につなげられるよう、理学療法士だからこそできる様々な活動をしました。
1年目は移動販売車に同乗して地域を回ったり、体操教室などに参加して自分の存在を知ってもらうことに注力し、後半からはリハビリ系の単発イベントを実施していきました。2年目は阿東地域の方と地福フィットネスクラブを立ち上げ、地域の方だけで運営できるシステム作りもしました。3年目は任期終了後に備え、それまでの活動と並行して、NPO法人設立の準備を進めたり、協力者を募っていきました。
NPO法人設立では山口市産業交流スペースMegribaをはじめ、山口市にあるさまざまな支援機関を活用させていただきました。山口市は創業支援が充実し、手厚くフォローしてもらえますので、移住創業をお考えの方にはすごくいいまちだと思います。
現在の状況・感想
地域おこし協力隊を卒業した年の5月にNPO法人ココメイト山口を設立し、地福フィットネスクラブのような自費リハビリの会やそれに付随する送迎支援、デイサービスや個々の契約先でのリハビリ支援などを行っています。
個人としてはミニストレッチ講座や転倒防止講座などの講師を引き受けたりもしています。今後、阿東地域でデイサービスを始める予定もあり、現在、準備を進めているところです。少しずつ事業を大きくし、活動の幅を広げることで、「介護や地域リハビリを笑顔で語り合える社会を作る」という目標に向かって一歩一歩着実に歩んでいきたいです。
移住後、地域にはすぐになじめましたか?
阿東地域には理学療法士がいないので、移住当初からほとんどの方がウエルカムでした。入口も地域おこし協力隊でしたし、地域の皆さんにとっても親しみやすかったのではないでしょうか。祖父母が阿東に住んでいることもスムーズになじめた理由の一つだと思います。阿東のみなさんにとっては「あそこのお孫さん」、私にとっては幼い頃からよく遊びに来ていた土地ですからね。
埼玉県からIターンした妻はそんなに前に出るタイプの人ではないですし、全く初めての土地になりますから少し心配ではありましたが、阿東のみなさんはよく言われる田舎のグイグイくる感じはなく、どちらかと言えば見守ってくれたので、無理なくなじんでいったようです。
現在は山口市宮野にある自宅と阿東の祖父母宅の二拠点生活を送っていますが、山口市中心部に近い便利な宮野と、自然がいっぱいの阿東とのいいとこ取りをしながら楽しく暮らしています。
山口市の魅力は?
Uターンして改めて気づいた魅力は、人が多すぎないところです。埼玉県でも割と賑やかな場所に住んでいたので、気づかない間に人の多さに疲れていたんでしょうね。あとは創業サポートの手厚さ、ビジネスを始める際に競合が少ないのも山口市の魅力です。
山口市、特に中山間地域にはまだないものがたくさんあるので、新しいことを始めるのにもぴったりだと思います。それと、広島にも九州にもすぐに行ける立地、アクセスの良さもいいですね。少し事業が落ち着いたら妻と一緒に九州にも遊びに行きたいなと思っています。
移住を考えている人にアドバイスを
地域おこし協力隊での移住をお考えの方は、任期の3年間で全てをやり遂げようとするとしんどくなってしまうので、一つの通過点と考えて長期的に捉えた方がいいと思います。また、移住前には観光がてらにでも実際に山口市に来てみた方がいいです。まちの様子を知り、いろんな施設を訪ね、移住に関する支援制度も理解することで、より具体的にイメージできるかと思います。
私のように専門職を活かす方、資格はないけれど経験を活かしたい方、これから何かを見つけようという方と、移住にはいくつかのケースがありますので、自分の進みたい道を歩んでいる先輩移住者にしっかり話を聞いてみるのもおすすめです。