先輩移住者の声
徳光 知美 さん
[山口市仁保]
ことば・発達支援 柔道教室
あーしゃ
山口市仁保下郷1577
TEL/070-8455-5508
●フリースクール
月~金曜 8:30~14:00
●個別支援指導
月~木曜 14:20~17:20
金曜 14:20~15:20
土曜 9:00~17:00
日曜・祝日、夏季・冬季休みあり
いつ・どこから・なぜここに?
山口市仁保で古民家を改装した施設「ことば・発達支援 柔道教室 あーしゃ」の代表を務めるのは、言語聴覚士で、元柔道選手の徳光知美さん。主な事業は、言葉やコミュニケーションを苦手とする子どもたちの支援とフリースクール。2021年4月に言葉とコミュニケーションの教室として山口市小鯖で創業し、翌年3月に現在の地に移転、フリースクールも始めた。
「移転のきっかけは、通っている子どもの一人が不登校になりかけたこと。フリースクールがあればいいのにと思ったのですが、私は発達障害のある子どもたちを支援した経験もあるのだから、自分でやればいいと気づきました。それからは、心が豊かになるよう自然にふれあえる環境がいい、健やかで強い体になるよう運動できる広さがほしいと構想は膨らみました。どうせなら柔道場も作ろうと空き家を探し周り、ここにたどり着きました」とその経緯を教えてくれた。
さて、創業に至るまで、徳光さんは多彩な経験を積んできたそう。山口市で生まれ、小学5年で柔道を始め、それからはひたすら練習する日々。常に全国上位の成績で将来を期待される選手だったにも関わらず、大学卒業を機に実業団からの誘いも断ってあっさり引退。その後、恩師に勧められ、青年海外協力隊として柔道を教えるためにインドへと渡った。 「言葉の通じないインドで、意思の疎通が図れないことがどんなに過酷か身をもって知りました。カタコトの英語とジェスチャーでどうにか気持ちを伝え、相手の気持ちを汲み取っていましたが、コミュニケーションの重要性を痛感したんです。でもそれは相手が日本人でも同じことだと思いました」。徳光さんはこの体験をきっかけに、コミュニケーションに関わる仕事に就くことを決意し、帰国後、言語聴覚士の資格を取得した。「まずはコミュニケーションの要の一つ、言葉の支援から始めようと思いました」。
医療機関や教育機関での勤務を経てUターンし、山口市に創業したのが「あーしゃ」。「子どもたちに未来に希望をもって生きてほしい」という願いを込め、ヒンディー語で「希望」を意味する「アーシャ」を屋号にした。「我流で事業計画書を作り、予約もせずに金融機関へ融資のお願いに行きました。たまたま対応してくださった方が親切で、商工会議所などの創業支援機関や創業塾などのセミナーを案内してもらえました。その時に初めて山口市は創業支援が充実していると知り、活用させていただきました」と笑いながら当時を振り返る。
現在の状況・感想
想いと勢いでスタートを切ったが、今は16名の子どもたちが「あーしゃ」で学び、成長している。「一番大切にしているのは子どもの心。何に不安を抱えているのか、なぜ学校に行けないのかを明確にし、しゃべったり、歌ったり、運動したり、農業体験をしたりと多方面から支援しています」
これからの目標・夢は?
目標はいろんな機関とさらに連携を深め、子どもたちへの支援をより充実させること。「子どもたちが生きやすくなれば、地域も明るくなるはず。大好きな山口市をより魅力的なまちにしていきたい」と徳光さん。徳光さんの挑戦はまだ始まったばかりだ。