先輩移住者の声
安光 洋和 さん
[居住地:山口市秋穂]
山口やすみつ農園
事務所:山口市秋穂東4100
みかん山:山口市秋穂東5342
TEL/090-4803-0416(みかん狩り予約)
TEL/090-9505-6271(園主携帯)
TEL/083-984-2749(事務所)
いつ・どこから・なぜここに?
工業系の大学を卒業後、東京で会社員をしていた安光さんは2009年に山口市にUターン。一度は工業関係の仕事に就いたが、農業に憧れて退職。その後、農業大学校に入学した。「祖父母の家が山口市秋穂にあり、稲作をしていました。子どもの頃から田植えや稲刈りは家族の恒例行事で、みんなで和気藹々と農作業する楽しさや達成感が忘れられなかったんです」と安光さん。
農業大学校では園芸科を選択し、みかん栽培を専門に学んだ。「農業大学校に入るまで、秋穂でみかん栽培が行われていることを知りませんでした。知ってからはどんどん興味が湧き、思い出の地でみかんを育てたいと思うようになりました」。農業大学校を卒業後、安光さんは秋穂のみかん農園で2年間修業し、その間、土地を探したり、事業計画を練ったりと怒涛の日々を送った。そして、2016年に念願のやすみつ農園を開園したのだ。
最初に植えたみかんは約300本。徐々に数を増やし、現在は約600本になった。みかんは1~2年目から収穫できるが、その収量はわずか。満足のいく収量に達するには木の成長を待つしかなく、どうしても時間がかかるのが現実だ。
「最初の2~3年はひと区画で200kg程度。今は1~1.5tは採れるようになった。果樹はどの種類も最初は収量が少なく経営が不安定になりがち。私はすでに成木が植ったみかん農園を借りてそちらでも栽培をしつつ、さらに新規就農補助金も活用させていただいたので、事業を継続できました」と安光さん。そして、経営者としてのプレッシャーよりも、太陽の下で自然の風を感じながら働けることと、収穫の喜びの方が遥かに優っていると話してくれた。「収穫期は大変な忙しさですが、会社に勤めていた頃のようなストレスは一切ありません。みかん栽培は私の天職です」
現在の状況・感想
やすみつ農園では加工品にも挑戦し、100%のジュースやみかんチップスなど多彩な商品を展開。「皮に傷がついたり、大きくなりすぎて商品にならないみかんを廃棄したくなくて始めました。うちはもともと最低限の農薬しか使いませんし、加工の際にも添加物を使いませんので、果実そのものの味を安心して味わっていただけます」。
そんな安光さんの目標は、秋穂のみかんをもっと多くの人に知ってもらい、一人でもたくさんの人にそのおいしさを届けること。「高齢化が進み、秋穂のみかん農園は年々減っていくばかりです。甘いみかんが主流となっている今、酸味もあって甘味もある昔ながらのみかんを後世につなぐのが私の役目。みかん農園を経営することで、秋穂に雇用を増やし、活性化につなげるのも私の役割だと思っています」。秋穂みかんと秋穂の未来を背負って、安光さんはただひたすらに農業に勤しむ。
移住を考えている人・移住してきた人にアドバイスを
東京に比べ、時間の流れがゆったり。のどかな自然がいっぱいの山口市での暮らしの方が、私には合っていると感じています。水も空気も食べ物もとてもおいしいですよ。就農に関しては、とにかくサポートが手厚くて、いろんな場面で助けていただいています。